シンエヴァ見たらこの特撮

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シンエヴァ公開されて大分たった。シンエヴァ見ていると過去の特撮物を思い出すけど、あまり記事を出してくれる人を見つけられないので書く。ネタバレに近いことも書くかもなので、気になる人はブラウザバックしてね。長くなりそうなので、随時追記します。


シンエヴァは、過去の特撮物へのラブレターであり葬式でもあるとも思えるので、時間ある人は見たら良いと思う。

あと、単純に見たら楽しいです。


平成ガメラ三部作

 樋口真嗣さんが特技監督を務めている三部作。レイアウトがバチっと決まった画面が印象的で、かっこいい。ヱヴァンゲリヲン新劇場版の序、破の画づくりが好きな人は好きだと思う。

 平成ゴジラと比べると予算が潤沢ではなかったらしく、はじめに絵コンテで絵づくりを設計してからセットづくり、撮影が行われたらしい。アニメっぽい作り方。(ただ、カット割のテンポは大分違うので、そのあたり好きな人は岡本喜八さんの映画見たら良い。)

 一作目はsf風味の王道。二作目は戦争シミュレーションもの。三作目は伝奇物というかんじだと思う。平成ガメラのクオリティがオーパーツ過ぎて、その後でてきた特撮映画は、なかなかこのハードルを超えられなかったんじゃないか。

 あと、昭和ガメラは全く別物なので同じテンションで見続けるのは、やめよ。(別の面白さがあります。別物として見よう。最初期は画づくりのゴージャス感がすごかった記憶があるけど朧げです)


・平成ゴジラ1984ゴジラからvsデストロイアまでの)

 川北鉱一さんが特技監督を務めた、多分めっちゃ稼いでいた頃のゴジラ

 平成ガメラと違って、バチっと決まった画面というよりは、怪獣王が暴れまわるゴージャス感が良い。Qやシンエヴァの戦闘場面のゴージャス感は、平成ゴジラに通じるものがあると思う。

 平成ガメラと異なり、セットの建て込みの後、現場で多くのカット割が決められていると思われる。そのぶん、分かりやすいカッコよさが画面になってこないけど、想像していなかった画面のアングルが出てくることがある。シンエヴァのメイキングではバーチャルな空間内で、脳内の想像を超えたアングル探しが試されていたけど、平成ゴジラの画の作り方は、結果的にそれに近かったのかもしれない。平成ガメラにはないゴージャス感は、まさにそれによるものなんじゃなかろうか。

 けっこう本数があるが、リアリティラインや設定が各作品でちょっとずつ、ずれているので、連作として見なくて良いかも。でも、順番通りにみたら、感じるものはあると思う。

(といいつつ、1984ゴジラは見てない。すいません。ゴジラと怪獣が戦うやつじゃないと燃えない体にされており初代ゴジラも見てない(怒らないで…)。)


シンゴジラ

 けっこう面白い。特撮パートだけでなくドラマパートもカチッと画が決まっており、やっと平成ガメラの次の特撮映画がでた!と思った。それと、「日本のいちばん長い日」見た後だと、同作のパロディにも思える。(それは、決して本作が真似事だという話ではなく、カット割、タイトルの入れ方などを近づけることで、この映画をより面白いものにしようという呪術的な行為に思われるので、好きなやり方てす。クリストファーノーラン監督が、飛行機を実際に建物に追突させたりしてるが、それと似てるんじゃないか。どちらも、映画を好きで、その体験を再現したい人なのかなと思う。)

カット割のスピード感が気持ち良く、あれよあれよという間に終わる。元ネタの「日本のいちばん長い日」はまじであっという間に終わります。テンポはええ。


・平成ウルトラマン(ティガ、ダイナ、ガイア)

ウルトラマンを、新たな時代にリファインさせた映像作品として、エヴァンゲリオンの異母兄弟のような作品群だと思う。

 どれも面白いけど、ティガは隊員それぞれにフォーカスした、多視点のストーリーが良い。また、ウルトラマンとは何なのかという裏テーマが背景にあるのが面白いと思う。これは、ウルトラマンをつくるとはどういうことか、という風にも見える。アニメをつくる庵野監督自身が投影されている(と思われる)エヴァンゲリオンに、その点でも近しい映像作品なんじゃないか。

 ダイナは各エピソードがバラエティに富んでいるのと、画づくりが円熟味を増して、クオリティ高い。(ティガから、ダイナ初期は試行錯誤が画面から伝わってくる)

ガイアは、大河ドラマ的な、強い縦軸があり、最終回までたどり着くと感動がすごい。ウルトラマンの戦闘の表現も、ダイナから変えていこうという部分が見えて、当時とても驚いたのを覚えている。